CTC技法(Crush Tear Curl)とは
紅茶の製法には従来からあるオーソドックス製法、そして生産効率のよいCTC製法があります。話に聞いていたCTC製法を今回初めて見学することができました。オーソドックス製法は茶葉を揉んで細胞を壊しエキスの汁を出し、これを葉に絡めながら醗酵させ仕上げは乾燥で醗酵を止めます。これに対しCTC製法は茶葉をCrush Tear Curl=(つぶして、ひきさいて、 丸める)で製茶されます。
処理の主役は下の写真にあるギザギザの歯が付いた2本のシリンダーです。ウイザリングを終えた茶葉はこの2本のシリンダーの間に落ちてきます。2本のシリンダーの回転速度は異なり、間に挟まった茶葉はここを通ることにより「つぶして、ひきさいて、 丸める」られるのだとか。手でも挟みそうな恐ろしい機械ですが、そこは安心してください運転中はカバーが掛かるのです。
自動化、省力化したライン 1~2人で動かす
下の写真はCTC製茶ラインです。オーソドックス法はローリングマシン:揉捻機にかけ揉み上がると作業員が大きな車輪付バケツに移し次の工程に運ぶという形で多くの労働が必要です。一方CTC製法はベルトコンベアのラインですから要員は一人か二人です。茶葉さえ投入すればCTCシリンダーでつぶされ、コンベアでふるいにかけ、残る大きな茶葉は2段目のCTCシリンダーに入ります。こうして多段階のCTCシリンダーで処理されます。できた細かい茶葉は粒も揃い、超ゆっくり動く醗酵コンベアに積まれます。
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そして積上げて醗酵処理、見た目のよい紅茶作り
はい、写真下がCTCシリンダーから来たコンベアに直結している醗酵コンベアです、茶葉はまだ湿っていて醗酵中です。案内してくれた工場長がこの茶葉を両手を合わせて取り出し見せてくれました。ときどき粒を見たり匂いを嗅いだりしてチェックしているそうです。
この工場の商品は粒の揃った、また色も揃った綺麗なルフナの紅茶作りを行っており、理由は見た目の良い紅茶がオークションで高値を付けるからということでした。細かい茶葉はティーバッグ用としても高い需要があるのでしょう。わが探検隊が探す薫り高い紅茶とは多少コンセプトが違うのが意外かも知れませんが、これがマーケットなのでしょうね。帰国後、戴いたBOPFをミルクティーで淹れてみました。紅茶の味が生きていて美味しかったですよ。ミルクに混じって黒い紅茶の粒が入るのも悪くはないですね。私も紅茶修行中の身です、低地産アッサム種茶木:ルフナの紅茶に興味を持たせてくれたCTC製法に感謝です。補足ですがルフナではオーソドックス製法でも生産していることを付け加えます。
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